缶詰博士なる人がいることはどこで目にしたか、耳にしたか、以前から知っていました。でも、その博士が書いたものを読もうと思ったのは、この『缶詰ライフ』を始めたことがきっかけです。多くの著書があるようですが、最初に手に取ったのが『缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36』でした。

缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36

■軽妙な文章でぐいぐい読んでしまう
この本のいいところすごいところ。それは缶詰博士の軽妙な文章です。

缶詰の歴史から始まることもあれば、缶詰とはまったく関係のないやりとりから始まって、でも、最後はいつの間にやらどっぷり缶詰話に浸っている。ちょいちょいダジャレが入ってくるのもいい。ダジャレも耳で聞くと、「またくだらないこと言って…」と眉を顰めたくなるけれど、文字にすると、意外にもすんなり受け付けてしまう。

缶詰の話はもちろん、エッセイとしても楽しめる文章なのが素敵です。すごいなぁ、缶詰博士。

■缶詰豆知識がいっぱい!
缶詰好きではあるけれど、それは単に食べることだけであって、その裏にどんな歴史があるか、どんな苦労や工夫があるかは知りませんでした。

例えば、レジェンド缶として26番目に紹介されている『ミニとろイワシ』。この缶詰に使われているマイワシは、この缶詰を作っている千葉産直サービスの社長がこだわりにこだわって、見極めたものしか使われていないそう。平成14年はなかなか目に留まるマイワシに出会えず、一年間でわずか2日間しか仕入れを行っていないとか。そんな缶詰、貴重すぎて食べられないよ!

他にも「へー」「ほー」と言いたくなる缶詰豆知識がたくさん詰まっている一冊。缶詰好きを名乗るなら、これくらい知っておかなきゃいけないなぁ、と思い知らされました。

■どれもこれも食べたくなる!
ホテイの「やきとりたれ味」や「ちょうしたのかばやき・さんま」「ノザキのコンビーフ」などは、すっかり馴染みのある缶詰です。でも、「ラ・カンティーヌ 鯖フィレ」や「石巻鯨カレー」はまったく知らない。それから、「特選たらばがに脚肉詰」は知っていても、手が出ない(だって、一缶13,000円也)。

そんな缶詰があれやこれや登場してきますが、知っていても、知らなくても、手が出なくても、とにかくどれも全部食べたくなります。簡単で美味しい食べ方も書いてあるのが嬉しいところ。「ラ・カンティーヌ 鯖フィレ」はクリームチーズとレモンと和えると、美味しい鯖ディップができるそうで。まだその缶詰を食べたことはないけれど、そのレジェンドの所以を読んでいれば、もう想像するだに美味しいだろうなぁ、とよだれが垂れてきます。

スーパーではなかなか出会えない缶詰もあるので、すべてのレジェンドと会いまみえる日はずいぶん先になりそうですが、コツコツ食べて、『缶詰ライフ』のレビューにも積み重ねていきたいですね。

■読んだ缶詰本

缶詰博士が選ぶ!「レジェンド缶詰」究極の逸品36 [ 黒川勇人 ]